人気ブログランキング | 話題のタグを見る

タンザニアの次はガーナでゴールド掘ってます。


by mikiume-nz-africa

Tさん家で その2

さて、Tさん家でTさんの友人のKさんと私とごん兵の4人で、ビール(Tさんは焼酎)で賑やかに楽しく過ごさせてもらった私達。

Kさんからも体験談を聞くことが出来ました。


Kさんは海岸から少し高いところにある水産工場で働いているそうで、そこは高台だったため津波の被害はまったくなかったそうです。

地震があった時、あまりの大きさに一旦外に出て避難したそうですが、すぐ中に戻り電気も止まってしまったので片付けなどをしてたそうです。
他の人たちも同様で、皆地震で散らかってしまった工場内を片付けていたそうなんですが、実はその頃町は津波で大変なことになってしまっていたそうです。
そんなことになっているとは夢にも思わず、電気がつかないので家に帰ろうと話していたそうで外に出ようとしたら所長さんが
「大変なことになってる。町にはとても帰れる状態じゃない」
と顔色を変えて言ってきたそうで、その時初めて大津波が町を襲ったことを知ったそうです。

そして外に出てみたKさん達の目の前にあったのは、老人ホームの窓に刺さった数台の車。

「刺さってたんだてば!」 
Kさんはこう表現してました。

「もう、夢も夢、悪夢だよね、あんな光景は・・・」 とKさんは涙を浮かべてビールをぐいっと飲んで、ついでに涙も飲み込んでしまったようでした。

これは私達が見た山田町で見た光景。
Tさん家で その2_b0208620_1057259.jpg



Kさんの家は津波ですっかり流されてしまったようで跡形もなく、避難所の生活の後、現在は上の娘さんの家に下の娘さんと二人でお世話になっているそうです。
仮設住宅にも申し込みしたんだけど、入れなかった、と悲しそうに話してました。


でも、Tさん同様、Kさんもとにかく明るい。

私が、Kさんに何か必要なもの、今度来るときに持ってきてほしいものとかありますか?と聞いたら、

「も~ね~、いいの、いいの。こうして来てもらって話を聞いてもらって、あなた達の話を聞かせてもらって、こうして同じ時間を過ごせることがうれしいのっ!!それでじゅ~~ぶんっ!」

そして、またあのおじいさんと同じように

「ホント、ありがたいの。ほんとう~にありがたいの。」

と明るく涙を流しながら繰り返してました。


Kさんが働く工場は幸運にも電気が通るようになってから仕事も再開できたそうで、現在も仕事が出来ているので、仕事も家も家族もなくしてしまった人から比べたら自分は幸せだと話していました。


幸せを感じるのは、その人の才能だと思うことがあります。
どこに視点を置くか、考え方を少し変えてみるだけで人は幸せを見つけることができる、と改めて感じました。
家をなくして不幸だと不幸に集中しているか、家はなくても仕事があって幸せだ、家族が無事で幸せだ、と何か幸運なことに目を向けること、そのことで「感謝」の気持ちが持てる。
彼らはそれを究極な状況で実践している、私達に見本を見せている人たちだと思いました。


さて、アルコールも入ってすっかり意気投合したごん兵とTさん。

なんと翌日は一緒に釣りに行くことに決定してました。

朝3時 だそうですが・・・ごん兵、行けるのか?



つづく

よかったら読んだついでにここをクリックお願いします。ありがとう
人気ブログランキングへ
by mikiume-nz-africa | 2011-07-31 11:07 | 旅~日本