デスパレートな男たち:就職活動に燃える男達
2011年 02月 03日
私たちのガーデンプロジェクト、少しずつではありますが、進行を見せています。
スワヒリ語のレッスンを休んでまで(サボりたい気分だったのがホントの理由)、ペンキ塗りを頑張ったので、あとはごん兵が組み立てていくだけ!
ペンキをかき回す棒が見つからなかったので、壊れたスコップがあったのでその柄の部分を利用
奥に柄が立てかけてるの見える?
で、ジーンズもTシャツも靴までもペンキだらけになりながら、それでも結構楽しみながら黙々と作業をしていると、いろんな人が通りかかり声をかけてくれます。(みんなタンザニア人)
「仕事頑張っているねー」
「なんで君がペンキ塗りなんてしてるの?」
「手袋とエプロンして塗った方がいいよー」
「お気の毒~」
などなど・・・。
すると、近くで大工の作業をしていたタンザニア人が寄ってきて、
「ママ、手伝うよ!」 だって。
「いやいや、これは個人的なことだから、あなた達の仕事を優先して!」
と言ったら、既に彼の仕事は終わったらしく、
「ぜんぜん問題ないよ!手伝うよ」
と言って、ペンキ塗りを手伝ってくれました。
いいヤツだなあ~
で、二人でおしゃべりしながら作業していたんですが、しばらくすると彼が
「ところでママ・・・・」
う、怪しい。。。なんか嫌な予感がするぞ。・・・と思ったけど、一応聞いてあげると・・・
彼は言いました。
「ボクはこの大工の仕事を4年もしていますが、給料は本当にわずかなんです。とっても貧乏なんです! 学校にも行きたいんです!
だから、アンダーグラウンド(地下での採鉱)で仕事をしたいんです!だから、ママから是非ミスターごん兵に一言お願いしてもらえないでしょうか!」
来た! やっぱりな。 まただよ・・・。
そう、彼は別に私を手伝いたいわけではないんですよ。要はなんとか自分をアピールしたいが為に私を手伝っているだけなんですよ。私がごん兵のパートナーだからね。
なんだよ、それ! と内心思いつつも、せっかくなのでペンキ塗り最後までやらせましたけどね。
実はねえ、私にこうやって言ってくる人、初めてではありません。
もう既に両手くらいのタンザニア人達がこうやって近寄ってきます。
実は、鉱山の会社と、ここキャンプ(住居)管理の会社は別なんですが、やはりどうしても鉱山の仕事のほうが給料が良いようで、多くのタンザニア人達は鉱山の仕事に就きたいらしんです。
まあ、給料が良いのであれば当然のことかな、とは思いますけどね。
今までごん兵の所に何人ものタンザニア人が来て仕事を懇願しているのを見てきています。
わざわざ夜、私達の部屋までやってきたり、ごん兵を外で見つけると慌てて近寄ってきて話をしてます。
実際、ごん兵の一任で採用が決まるわけではないのですが、何故かみんなごん兵の所に来て履歴書を置いて、それこそ半泣き状態で懇願してます。
みんなしつこく何度も何度も声をかけてきて、実はごん兵最近うんざり気味のようです。
夜遅くになって部屋まで来られてもねー・・・・。(時間考えろ!とか言いたくなること多々)
なので、ごん兵の机の上にはものすごい数の履歴書!
みんな自分がどんなにお金が必要かそのために仕事が必要かを書いてきているそうです。
それは履歴書ではなく、 「懇願書」に近い。
ある男性は、外で洗濯物を干している私の所にやってきて、こう言いました。
「ママ・・・・ボクはとっても貧乏で、家には妹とその家族が居て彼らを養わなければなりません。今の給料ではとっても厳しいんです。だからどうしても採鉱の仕事がしたいんです。」
もちろん、私はとりあえず話は聞いてあげます。だって、それはそれは悲しそうな顔して話すからね。
「ふんふん、そうかあ。大変だねえ・・」と。
だけど、私はまったくの部外者であり、彼らの採用に一切関係ないわけなので、
「気持ちはよくわかるし、気の毒に思うけどねー、私には何もしてあげられないよ。ごめんね」
と正直に言いました。
すると、彼は、それでも必死に
「ミスターごん兵に言ってもらうだけでいいんです。僕がこう言ってたって伝えてもらえるだけでいいです。ボクはとっても働き者です。あ、名前はトーマスです!ママ、お願いしますっ!!!!」
と、トーマスに手、握られました。
手、握られてもねえ・・・・・・・。
「じゃあ、とりあえず、あなたが言ってたってことを伝えるよ。」 とだけ言っておきました。
すると、「ありがとうママ!!ユーアー、ワンダフル!(You are wonderful)」と、すっかり仕事をもらえたかのように嬉しげに去って行きました。
おいおい、トーマス君、勘違いしないように!私はあくまで伝えるだけですから・・・。
それから数日後、車に乗ってたトーマスに会ったんですが、彼、車を止めて叫んでました。
「ママ~ッ!!!!! ミスターごん兵に言ってくれましたか? で、ミスターはなんて言ってましたか?僕が困っていると言ってくれましたかー?」
そして、彼は会うたびに聞いてくるようになってしまい、遠くで見かければめいっぱいの笑顔で手を振ってきて必死のアピール。最近私は彼を見かけると身を隠すようになってしまった。。。 勘弁してくれ~!
これはほんの一例で、実はもっといろんなケースがあり、私も最近顔覚えてしまいました。
そして彼らの家族構成や彼らが何をしたいのか(学校行きたいのか、家族を養いたいのかなど)も把握しつつあります。
だけどね、このママ(私のこと)は本当にな~~んの権力も影響力もありません!利用価値ゼロです。はい。
ペンキ塗り手伝ってくれても、庭にお願いしてない堆肥わざわざ運んでくれても、フレンドリーに挨拶してくれても、残念ながら、あなた達の就職活動にはまったく効果なしなんですよ・・・。
それにしても、私がまったく彼らの就職活動に利用価値がないと知ったら、彼らの行動はどんな風になるのか? あんまりそんなふうに考えたくはないけど・・・。
うー、なんか私の立場って・・・・・微妙
まあ、それだけDesperateで必死、真剣になって仕事に就きたいって思う気持ちは立派だと思います。
だけど・・・・
そのDesperateさと真剣さ、仕事に就いた途端に無くしてしまわないことを願うよ、私。
(ごん兵、それが一番恐いってさ)
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今土砂降りの雨のタンザニアの山ん中
スワヒリ語のレッスンを休んでまで(サボりたい気分だったのがホントの理由)、ペンキ塗りを頑張ったので、あとはごん兵が組み立てていくだけ!
ペンキをかき回す棒が見つからなかったので、壊れたスコップがあったのでその柄の部分を利用
奥に柄が立てかけてるの見える?
で、ジーンズもTシャツも靴までもペンキだらけになりながら、それでも結構楽しみながら黙々と作業をしていると、いろんな人が通りかかり声をかけてくれます。(みんなタンザニア人)
「仕事頑張っているねー」
「なんで君がペンキ塗りなんてしてるの?」
「手袋とエプロンして塗った方がいいよー」
「お気の毒~」
などなど・・・。
すると、近くで大工の作業をしていたタンザニア人が寄ってきて、
「ママ、手伝うよ!」 だって。
「いやいや、これは個人的なことだから、あなた達の仕事を優先して!」
と言ったら、既に彼の仕事は終わったらしく、
「ぜんぜん問題ないよ!手伝うよ」
と言って、ペンキ塗りを手伝ってくれました。
いいヤツだなあ~
で、二人でおしゃべりしながら作業していたんですが、しばらくすると彼が
「ところでママ・・・・」
う、怪しい。。。なんか嫌な予感がするぞ。・・・と思ったけど、一応聞いてあげると・・・
彼は言いました。
「ボクはこの大工の仕事を4年もしていますが、給料は本当にわずかなんです。とっても貧乏なんです! 学校にも行きたいんです!
だから、アンダーグラウンド(地下での採鉱)で仕事をしたいんです!だから、ママから是非ミスターごん兵に一言お願いしてもらえないでしょうか!」
来た! やっぱりな。 まただよ・・・。
そう、彼は別に私を手伝いたいわけではないんですよ。要はなんとか自分をアピールしたいが為に私を手伝っているだけなんですよ。私がごん兵のパートナーだからね。
なんだよ、それ! と内心思いつつも、せっかくなのでペンキ塗り最後までやらせましたけどね。
実はねえ、私にこうやって言ってくる人、初めてではありません。
もう既に両手くらいのタンザニア人達がこうやって近寄ってきます。
実は、鉱山の会社と、ここキャンプ(住居)管理の会社は別なんですが、やはりどうしても鉱山の仕事のほうが給料が良いようで、多くのタンザニア人達は鉱山の仕事に就きたいらしんです。
まあ、給料が良いのであれば当然のことかな、とは思いますけどね。
今までごん兵の所に何人ものタンザニア人が来て仕事を懇願しているのを見てきています。
わざわざ夜、私達の部屋までやってきたり、ごん兵を外で見つけると慌てて近寄ってきて話をしてます。
実際、ごん兵の一任で採用が決まるわけではないのですが、何故かみんなごん兵の所に来て履歴書を置いて、それこそ半泣き状態で懇願してます。
みんなしつこく何度も何度も声をかけてきて、実はごん兵最近うんざり気味のようです。
夜遅くになって部屋まで来られてもねー・・・・。(時間考えろ!とか言いたくなること多々)
なので、ごん兵の机の上にはものすごい数の履歴書!
みんな自分がどんなにお金が必要かそのために仕事が必要かを書いてきているそうです。
それは履歴書ではなく、 「懇願書」に近い。
ある男性は、外で洗濯物を干している私の所にやってきて、こう言いました。
「ママ・・・・ボクはとっても貧乏で、家には妹とその家族が居て彼らを養わなければなりません。今の給料ではとっても厳しいんです。だからどうしても採鉱の仕事がしたいんです。」
もちろん、私はとりあえず話は聞いてあげます。だって、それはそれは悲しそうな顔して話すからね。
「ふんふん、そうかあ。大変だねえ・・」と。
だけど、私はまったくの部外者であり、彼らの採用に一切関係ないわけなので、
「気持ちはよくわかるし、気の毒に思うけどねー、私には何もしてあげられないよ。ごめんね」
と正直に言いました。
すると、彼は、それでも必死に
「ミスターごん兵に言ってもらうだけでいいんです。僕がこう言ってたって伝えてもらえるだけでいいです。ボクはとっても働き者です。あ、名前はトーマスです!ママ、お願いしますっ!!!!」
と、トーマスに手、握られました。
手、握られてもねえ・・・・・・・。
「じゃあ、とりあえず、あなたが言ってたってことを伝えるよ。」 とだけ言っておきました。
すると、「ありがとうママ!!ユーアー、ワンダフル!(You are wonderful)」と、すっかり仕事をもらえたかのように嬉しげに去って行きました。
おいおい、トーマス君、勘違いしないように!私はあくまで伝えるだけですから・・・。
それから数日後、車に乗ってたトーマスに会ったんですが、彼、車を止めて叫んでました。
「ママ~ッ!!!!! ミスターごん兵に言ってくれましたか? で、ミスターはなんて言ってましたか?僕が困っていると言ってくれましたかー?」
そして、彼は会うたびに聞いてくるようになってしまい、遠くで見かければめいっぱいの笑顔で手を振ってきて必死のアピール。最近私は彼を見かけると身を隠すようになってしまった。。。 勘弁してくれ~!
これはほんの一例で、実はもっといろんなケースがあり、私も最近顔覚えてしまいました。
そして彼らの家族構成や彼らが何をしたいのか(学校行きたいのか、家族を養いたいのかなど)も把握しつつあります。
だけどね、このママ(私のこと)は本当にな~~んの権力も影響力もありません!利用価値ゼロです。はい。
ペンキ塗り手伝ってくれても、庭にお願いしてない堆肥わざわざ運んでくれても、フレンドリーに挨拶してくれても、残念ながら、あなた達の就職活動にはまったく効果なしなんですよ・・・。
それにしても、私がまったく彼らの就職活動に利用価値がないと知ったら、彼らの行動はどんな風になるのか? あんまりそんなふうに考えたくはないけど・・・。
うー、なんか私の立場って・・・・・微妙
まあ、それだけDesperateで必死、真剣になって仕事に就きたいって思う気持ちは立派だと思います。
だけど・・・・
そのDesperateさと真剣さ、仕事に就いた途端に無くしてしまわないことを願うよ、私。
(ごん兵、それが一番恐いってさ)
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今土砂降りの雨のタンザニアの山ん中
by mikiume-nz-africa
| 2011-02-03 20:55
| タンザニア出来事