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タンザニアの次はガーナでゴールド掘ってます。


by mikiume-nz-africa

人間の欲と弱さ

昨日の夜中1時、ごん兵の携帯電話で目が覚めた。

半分寝ぼけていたごん兵の声がだんだん変わって行き、深刻な問題が起こっていることを語っていました。

どうやら、鉱山の地下で働く数人が金の入った岩石をどっさり盗んで捕まったらしい。
鉱山は24時間体制なので、皆交代制で働いていているけど、やっぱりこうゆう残念な事件が起きるのはたいてい夜中。
ごん兵の部下が、怪しい行動をする男達に気づき調べてみたら大きな袋にどっさり岩石が入っていて御用となったらしい。それもすべての岩に大きな金が入っていたらしい。(とても良い岩石だったらしく、ごん兵が感心していた)


あ~あ、どうしてそんなバカなことをするかなーと呆れるのと同時に、その話を聞いて不思議に思ったことがあった。

そんな沢山の岩石、どうやってここから持ち出すのか?

ここの警備は厳しく、そんな大きな岩石明らかに盗んだものと思われるものは持ち出せないはずじゃないの?????  ・・・ と。

ここでは、空路でも陸路でもここから出るときには荷物からボディーから必ずチェックを受けなければなりません。
こんな感じで・・・
陸路で出る場合(地元の人たち)は二重のこんなゲートを通過
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空路で出るときも同様。 荷物も中身も見られ、重さも計られます。
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敷地は一応すべてフェンスで囲まれているし、住居のあるキャンプは完璧なコンクリートの壁で覆われている。 
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なんか、こう見ると私達はまるで刑務所にいるようだな・・・。



こんなに厳重にも関わらず、大きなサック3つに金の入った岩石をこっそり持ち出そうとするなんてどうゆうこと??

と単純に考えた私は、ごん兵に聞いてみました。


すると、どうやらこの若者達、ちゃんとしたルートを持っていたらしいです。
ここに毎日侵入して金を掘ったり、道具を盗んだりする地元の侵入者達(泥棒達)がいる話は前に沢山書きましたが、どうやらここで働く者の中にはその侵入者とちゃっかり協定を結んでいる奴がいるんだそうです。


今回もそのパターンで、盗んだ岩石は侵入者達に運ばせる手配をしていたそうです。もちろん、侵入者達はしっかりそこでお金をもらうわけです。


まあ、考えてみれば・・・
ここのフェンス(コンクリートじゃない方)にはあちこち穴が開けられ、侵入者達はそこから入って来るわけで、広い敷地内でそんな通路があちこちあると思われます。
だから、別に厳重な警備のゲートを通らなくても、実は地元の泥棒さんたちは簡単に出入りしているわけ。
なんか、ちゃんと真面目に働く者がそんな厳しいチェックを受けているのに、部外者の泥棒さんがいとも簡単に出入りできるって・・・それもどうかとも思うけどねえ。



ま、ともかく、そんなわけで今回は運よく現場を押さえ、数名の労働者が解雇されたそうです。

話に聞くと、彼らはエンジンや電気系統の物も盗もうとしていたらしい。

これで彼らは仕事を失い、収入、そして信用も失ったわけです。

私は個人的には言ってやりたい。それも「大」を3つくらいつけて・・・

”大バカ者ー!!!” と。


だって、この国にしてはちゃんとした給料を頂き、住居も3食の食事も無料で与えられる環境で働けること自体が幸運なことなんじゃないのか?って思うから。
それを、盗みっていう、ここでは一番深刻で神経質になっている悪事を働き、一瞬にして仕事を失ってしまったわけです。
おまけに彼らはもう二度とこの仕事には就けない。
タンザニア内にはいくつか鉱山があるけど、それはほぼこの会社経営だから、違う場所に行っても仕事をもらうのは無理なわけです。


普通の泥棒が悪事を働くこととは違って今回のこの事件、とても複雑な気持です。

やっぱり同じキャンプで生活していたわけで、私も毎日泥だらけになって働く彼らを目にするのでまるっきり他人とは思えない部分があるわけです。
おまけにごん兵は彼らを指導管理する立場なので、彼の気苦労と落ち込みを見るとやるせない気持ちになってしまう。

だから私の 「大バカ者!」と叫ぶ気持ちの中には、なんでそんなことしたんだよー!情けない!と言う身内感覚に似た叱咤も含まれているような気がします。


まあ、わからないわけではない。目の前に簡単にお金になる貴重なゴールドがゴロゴロ転がってれば、いつもは隠れているおかしな虫が身体の奥から湧き出てきてしまうのかもしれない。
それも頑張って働いて手元に来るお金(給料)と、そのゴールドを売った時の金額を比べたらもしかしたら何十倍もの差があるのかもしれない・・・。それが目の前にあったら・・・。


う~ん、これって人間の欲、意思の強さを試させられてるってことだよねー。


あまりにもごん兵が深刻な顔していたので、ちょっと軽い話のつもりで

「やっぱり目の前に、綺麗な女性が全裸で横たわっていたら、やっぱり多くの男は何か変な虫が騒ぐでしょ? それに少し似てるんじゃない?」


なんて言ってみたら、「あーっ!、そうだよなあー・・・ふむふむ・・・」と何か妄想状態に突入してしまった。 おいっ!そうじゃなくてー!047.gif 


冗談はともかく・・・・
いや、真面目な話、こうして価値のある物を扱っている場所ではこうゆう問題は尽きないんだと思います。
特に、貧しくて学校にも行けない泥やワラで作った小屋で暮らす人々にとっては喉から手が出るほど欲しいものなんでしょう。

だけど、やっぱり人間、モラルを守らないとね。
そして、働くことに対するプライド、どんな内容であれプライドを持って仕事すべきだと思うよね。
たとえそれが日給コーラ5本分の草刈りでもさ。
(まあ、現在無職のおまえが言うか?って言うツッコミはおいといて・・・)




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by mikiume-nz-africa | 2011-01-18 17:25 | タンザニア出来事